
60歳を過ぎても働き続ける方が増える中、「働きながら年金をもらうと減らされるの?」という声をよく耳にします。
この仕組みは「在職老齢年金制度」と呼ばれ、働き方と年金の受け取り方のバランスに影響を与える重要な制度です。
令和7年度(2025年度)には、この制度が見直される方向で議論が進められています。
今回は、その改正内容と注意点をわかりやすく解説します。

在職老齢年金とは?
在職老齢年金制度は、60歳以上の方が厚生年金の被保険者として働きながら老齢厚生年金を受け取る場合、「給与と年金の合計が一定額を超えると、年金の一部または全部が支給停止となる」仕組みです。
現行制度では、65歳未満の方は「賃金と年金の合計が月に28万円を超えると一部停止」、65歳以上の方は「合計が月に47万円を超えると一部停止」となっています。
つまり、働き方によっては「稼ぐほど年金が減る」状況が生じていたのです。

(出典:厚生労働省「在職老齢年金の仕組み」
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001337884.pdf)
改正の方向性 ― 支給停止基準の引き上げへ
厚生労働省の発表によると、今後の見直しでは支給停止の基準額を引き上げる方向で検討が進められています。
現在の基準である「50万円」を「62万円程度」まで引き上げられ、より多くの方が働きながら年金を受け取れるようになります。
「62万円程度」なのは、毎年度賃金変動に応じて改定するためです。
これにより、「働きたいのに年金が減るからセーブする」という制約が緩和され、
高齢者の就労意欲を後押しする改正になると期待されています。

(参考:厚生労働省「年金制度改正の方向性(在職老齢年金の見直し)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00022.html)
すべての人が増額になるわけではないことに注意
支給停止基準が引き上げられるのは朗報ですが、全員が得をするわけではありません。
・報酬と年金の合計が基準を超える場合、依然として一部停止の対象になります。
・ボーナスの支給月などは一時的に合計額が上がり、支給停止の可能性があります。
・年金額や就労形態によっては、影響が限定的な場合もあります。
つまり、「働き方次第で年金がどう変わるか」は人によって異なります。
勤務時間や給与体系、年金の受給開始時期などを踏まえ、社労士や税理士にシミュレーションを依頼しておくと安心です。
まとめ ― 「年金が減るから働けない」をなくす時代へ
在職老齢年金制度の見直しは、高齢者の就労促進と年金制度の持続可能性を両立させるための一歩です。
「働きながら年金を受け取る」というライフスタイルが一般的になる中、
制度を正しく理解しておくことが、老後の安定した収入づくりにつながります。
「自分の働き方ではどのくらい年金が支給されるのか」
「給与の増減で年金がどれだけ変わるのか」――そうした疑問をお持ちの方は、
一度専門家に相談して、将来設計を見直してみるのがおすすめです。
投稿者プロフィール

- 税理士/南九州税理士会 139642
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熊本生まれ 熊本育ち
税理士の木下博昭です。税理士業界歴21年!
節税や補助金、創業融資などを利用して、会社にお金を残す!
これに特化した経営支援を行いたいと思い独立を決意。
令和元年、令和のスタートともに独立しました。
もちろん、税制を活用した節税も行います。
農業コンサルタント向けに税制改正や節税の講演も実施しています。
何かご相談があればお気軽にどうぞ!
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