災害支援制度

熊本では近年、大雨や地震による災害がたびたび発生しています。
店舗や事務所、工場などの設備が浸水・破損したとき、修理や再建だけでなく、税務上の処理も重要です。
個人の住宅や車と比べて、事業用資産はルールが複雑なため、早めに整理しておくことが安心につながります。

事業用資産が被害を受けたときの基本的な税務処理

修理可能な場合:修繕費として経費計上

被害部分を修理して使い続ける場合、かかった費用は「修繕費」としてその年の経費にできます。

廃棄・滅失した場合:未償却残高を損失として計上

全損して使えなくなった建物・設備・什器などは、帳簿上の未償却残高(減価償却が終わっていない部分)を損失として計上できます。

保険金を受け取った場合:収入として計上

保険会社から支払われた金額は、原則として事業収入に含める必要があります。

例:機械装置の帳簿価額が300万円、減価償却済みが100万円、未償却残高200万円
豪雨で全損し、保険金150万円を受け取った場合
→ 損失200万円を計上しつつ、保険金150万円は収入として計上

災害による特例(法人・個人事業共通)

災害損失による損金算入の特例

大規模災害の場合、損失を通常よりも有利に損金算入できる特例があります。

災害損失欠損金の繰戻還付(法人)

法人が災害で大きな損失を出した場合、過去の利益と相殺し、法人税を還付してもらえる制度です。
資金繰りが厳しくなる災害時に有効です。

所得税の災害減免法(個人事業主)

個人事業主は、災害で大きな損失を受けた場合、一定の条件を満たせば所得税の減免を受けられます。

手続きの流れと必要な資料

  1. 被害状況の写真を撮影
    店舗・事務所・工場の建物や設備、什器、商品など、被害の様子を記録します。
  2. 修理見積書や廃棄証明を入手
    修理や撤去費用を示す書類を業者からもらいましょう。
  3. 保険金支払通知書を保管
    受け取った保険金の額や日付を確認できる書類が必要です。
  4. 帳簿や固定資産台帳と突き合わせ
    資産の取得価額や減価償却の残額を確認し、損失計算に使います。

熊本での実務的な注意点

  • 店舗や工場の設備は減価償却資産なので帳簿確認が必須
    被害額を正確に計算するため、固定資産台帳の残高確認を早めに行いましょう。
  • 保険金が複数回に分けて入金されることがある
    収入計上のタイミングがズレやすいので管理に注意が必要です。
  • 災害による欠損金の繰戻還付は資金繰り改善に有効
    法人は特に、早めの申請で資金を確保できます。
  • 熊本では豪雨や地震後に修理業者が混雑する傾向がある
    書類の取得が遅れると申告が難しくなるため、早めに依頼しましょう。

迷ったら専門家に相談を

事業用資産の被害は、個人住宅や車とは異なって会計処理が複雑になりやすいものです。保険金の取り扱いを誤ると課税額が変わるだけでなく、資金繰りにも影響します。
熊本県内全域で対応している当事務所では、災害による損失計上や保険金の処理、繰戻還付の申請などをサポートしています。
「どこまで損失にできるのか」「保険金をどう計上するべきか」など、不安な場合はぜひ早めにご相談ください。

投稿者プロフィール

木下博昭税理士事務所
木下博昭税理士事務所税理士/南九州税理士会 139642
熊本生まれ 熊本育ち
税理士の木下博昭です。税理士業界歴21年!
節税や補助金、創業融資などを利用して、会社にお金を残す!
これに特化した経営支援を行いたいと思い独立を決意。
令和元年、令和のスタートともに独立しました。
もちろん、税制を活用した節税も行います。
農業コンサルタント向けに税制改正や節税の講演も実施しています。
何かご相談があればお気軽にどうぞ!

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