小規模事業者持続化補助金

設備投資から販促、広報まで、事例で学ぶ補助金活用法

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が経営計画を立てたうえで販路開拓などの取り組みに対して支援を受けられる制度です。

「自分の業種でも使えるの?」「何に使えるかイメージできない」

そんな方のために、実際の採択事例をもとに、補助金の活用イメージをわかりやすくご紹介します。

補助金の基本方針

持続化補助金の支援対象は、あくまで「販路開拓や業務効率化につながる取り組み」です。

「古い設備を買い換えたい」「普段の宣伝費に使いたい」

といった使い方は、趣旨に合わない場合があるため注意が必要です。

補助金を使って何を実現するか――そこを明確にすることが、採択のカギです。

【使途別】持続化補助金の活用事例

設備導入で新サービスを展開した事例

  • ケーキ店:可食プリンターを活用した差別化
    補助金を活用し、写真やイラストを印刷できる可食プリンターを導入。
    バースデーケーキやオリジナルクッキーを販売し、注文数・売上が増加しました。
    観光地らしさを活かし、ご当地キャラ入りクッキーなどで地域PRにもつなげています。
  • 理髪店:出張理容サービスを開始
    在宅介護者向けに、移動式チェアとシャンプーユニットを導入。
    パンフレットも作成し、新たな顧客層を獲得しました。
  • スイミングスクール:高齢者向けプログラムを開発
    トレーニング器具を導入し、低体力者向けのプログラムを展開。
    チラシ配布とセットで新規会員を増やし、地域ニーズに応える取り組みとなりました。

広報活動に補助金を活用した事例

  • 写真館:新プランのチラシと特大ポスター
    貸衣装付きの新しい撮影プランをPR。
    新聞折込チラシ・屋外看板の効果で問い合わせ増、客単価もアップしました。
  • 養鶏場:新商品のパッケージ&販促物を制作
    廃棄される親鳥を活用し「京丹波鶏カレー」を開発。
    チラシやポスターを作成し、販売ルートの拡大につなげました。
  • 飲食店:WEB広告とパンフレットで新商品をPR
    地元の地鶏を使った焼き鳥を商品化し、パンフレットとWEB広告(リスティング)を活用して新規集客を実現しました。

※なお、WEBサイト関連費には「補助金総額に対する上限割合」などの制限がありますので、公募要領で事前に確認しましょう。

展示会・商談会をきっかけに販路拡大した事例

  • 農家:東京の物産展で取引先を開拓
    商品リブランディング後、物産展に出展。
    ロゴ刷新・パッケージ改善と合わせて、販路拡大を実現しました。
  • 畳店:福祉用具畳を展示会でPR
    高齢者・介護施設向けに開発した商品をパンフレットで紹介。
    展示会・地元メディア・DM発送など多面的な広報で成果を出しました。
  • 酒造店:海外展示会に出展しインバウンドを強化
    インバウンド観光客に向けて英語版のパンフ・HPを制作し、フランス・シンガポールの展示会にも出展。輸出販路の開拓に成功しました。

【業種別】持続化補助金の活用パターン

商業・サービス業(宿泊・娯楽業を除く)

  • ECサイトを新規構築し、オンライン販路を開拓
  • 出張サービス導入で新たな顧客層に対応
  • 女性向けプラン開発や設備改善で売上アップ

宿泊・娯楽業

  • 多言語チラシで外国人観光客に対応
  • 洋室改装やバリアフリー化で高齢者の受け入れ強化

製造業・その他

  • EC販売でBtoCに販路拡大
  • 工場見学を通じたブランディング強化
  • リフォーム会社がファミリー層向けに広報活動を展開

経営計画から補助金活用を考える

補助金の申請には「経営計画(補助事業計画)」の策定が必要です。

補助金を目的にするのではなく、
「自社の課題を明確にして、目標を定める」→「その達成に必要な取り組みに補助金を使う」
という順序が大切です。

兵庫県の美容院では、補助金をきっかけにスタッフとの意見交換が増え、社内の学びの機会が生まれました。

埼玉県の寿司店では、庭園整備とメニュー刷新でお店の魅力を一新し、来店客数や単価の向上につながりました。

まとめ

小規模事業者持続化補助金は、設備・広報・展示会など、多彩な使い道がある便利な制度です。

特に「新しいチャレンジ」「新規顧客の獲得」「売上向上」に向けた取り組みに幅広く対応しています。

補助金を「資金援助」と捉えるだけでなく、自社の経営を見直すチャンスとして活用することが、結果として補助金の採択にもつながります。

制度の詳細や申請サポートについては、お近くの商工会・商工会議所に相談に行きましょう。

しっかり準備し、事業を次のステージへ進めましょう。

投稿者プロフィール

木下博昭税理士事務所
木下博昭税理士事務所税理士/南九州税理士会 139642
熊本生まれ 熊本育ち
税理士の木下博昭です。税理士業界歴21年!
節税や補助金、創業融資などを利用して、会社にお金を残す!
これに特化した経営支援を行いたいと思い独立を決意。
令和元年、令和のスタートともに独立しました。
もちろん、税制を活用した節税も行います。
農業コンサルタント向けに税制改正や節税の講演も実施しています。
何かご相談があればお気軽にどうぞ!

Follow me!

サービスの紹介はこちらから

他の方はこちらも読まれています

事務所について
令和7年 最低賃金引上げ
熊本県の最低賃金が引き上げ!1,034円へ(令和7年度)New!!
事務所について
GMOあおぞらネット銀行との業務提携についてNew!!
事務所について
電子保存義務化で保存すべき資料が増える?現実と法律のギャップ
事務所について
採用ページ作りました
制度等の変更
紙の手形・小切手が廃止
2026年度末で紙の手形・小切手が廃止に!~熊本県内の事業者が今すぐすべきこと~
税制改正情報
税制改正情報「所得税の基礎控除額引上げ」
退職者にも影響あり?令和7年から変わる基礎控除のポイントとは

お電話でのお問い合わせ

受付時間 9:00 〜 21:00(土日も対応)