年末調整の改正ポイント!

年末が近づくと、会社員や経営者の多くが直面するのが年末調整です。
毎年なんとなく書類を提出している人も多いと思いますが、今年(令和7年分)からは基礎控除や扶養控除などの制度が改正されており、記入時に注意が必要です。
この記事では、熊本の中小企業や給与担当者、従業員の方に向けて、今年の年末調整のポイントをわかりやすく解説します。

年末調整とは?

年末調整は、毎月の給与から天引きされていた所得税を年間の正しい税額に精算する手続きです。
給与所得者の多くは、この手続きを会社が行うことで確定申告をしなくても済みます。
ただし、医療費控除やふるさと納税など一部の控除は年末調整では対応できないため、別途確定申告が必要です。

2025年(令和7年分)からの主な改正ポイント

基礎控除の引き上げ

基礎控除額が一律48万円 → 58万円に引き上げられました(令和7年分から適用)。
(参考:国税庁 基礎控除の改正

扶養控除・配偶者控除の所得要件見直し

給与所得控除後の合計所得金額に関する条件が変更されています。扶養親族や配偶者の収入確認を改めて行う必要があります。
(参考:財務省 令和7年度税制改正大綱

電子的控除証明書の利用拡大

生命保険料控除や地震保険料控除などの控除証明書を電子データで提出できる仕組みが拡大されました。
(参考:国税庁 年末調整における電子的控除証明書

給与所得控除の最低保障額見直し

低所得者向けの給与所得控除の最低額が増えています。給与担当者は源泉徴収票の計算に注意が必要です。

提出が必要な主な書類と書き方のポイント

扶養控除等申告書

年末調整でもっとも基本となるのが扶養控除等申告書です。
扶養親族の氏名・マイナンバー・生年月日・所得見込みを正確に記入します。16歳未満の子どもは控除の対象になりませんが、書類への記載は必須です。

特に今年(令和7年分)からは、扶養親族や配偶者控除の所得要件が見直されています。昨年までの条件と同じと考えてしまうと誤りの原因になるため、必ず最新版の条件を確認して記入しましょう。

保険料控除申告書

生命保険料控除や地震保険料控除、社会保険料控除などを申告するのが保険料控除申告書です。
保険会社や共済組合から届く控除証明書を添付するか、電子データで提出します。最近は電子的控除証明書の利用範囲が広がっており、紙の添付が不要になるケースも増えています。

また、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金証明書もこの申告書で申告します。証明書は再発行に時間がかかる場合があるため、早めに確認しておくと安心です。

『2年目以降の』住宅ローン控除

住宅ローン控除を受けている方は、2年目以降の手続きが年末調整で可能です。
初年度のみは確定申告が必要ですが、2年目以降は会社へ住宅借入金等特別控除申告書を提出することで手続きが完了します。

住宅ローン控除の初年度と2年目以降の扱いを混同し、提出を忘れてしまうケースが毎年見られるので注意しましょう。

よくあるミス・注意点チェックリスト

年末調整でありがちな間違いをチェックリストにしました。
該当するものがあれば、提出前にもう一度確認してみましょう。

  • 保険料控除証明書を添付し忘れていないか
    生命保険や地震保険、iDeCoなどの控除を受けるには、保険会社や共済から送られてくる「控除証明書」の添付または電子提出が必要です。書類が届いていない場合は再発行を早めに依頼しましょう。
  • 扶養家族の所得要件を正しく確認したか
    令和7年分から扶養親族や配偶者控除の所得基準が見直されています。「去年と同じだから大丈夫」と思い込むと間違いの原因になります。
  • 複数の勤務先から給与をもらっていないか
    年末調整は1つの勤務先分しか精算できません。副業や兼業で2か所以上から給与をもらっている場合は、自分で確定申告を行う必要があります。
  • 副業や業務委託の収入を申告し忘れていないか
    フリーランスや業務委託の報酬は年末調整の対象外です。別途確定申告が必要になります。
  • 最新の源泉徴収税額表を使っているか(経理担当者向け)
    税制改正で控除額が変わっています。古い税額表を使うと税額計算がずれてしまうため、国税庁の最新データを利用しましょう。

熊本の事業者・従業員が特に知っておきたいポイント

災害義援金を寄附した場合

個人が熊本県などの自治体や日本赤十字社を通じて災害義援金を寄附した場合、その寄附金は寄附金控除の対象となります。年末調整では、寄付金控除はできないので、確定申告が必要です。
なお、企業が従業員からの希望をとりまとめて義援金をまとめて寄附することがありますが、このような場合でも従業員本人の寄附として扱われるケースがあります。具体的な取扱いは寄附先や会社の手続きによって異なるため、証明書の発行方法を確認しておくと安心です。
(参考:国税庁 熊本国税局 災害義援金の税務上の取扱い

雑損控除・災害減免法の適用は確定申告で

自宅や家財が被災した場合の雑損控除や、所得税の災害減免法による軽減・免除は、年末調整では対応できず確定申告が必要です。

まとめ

2025年の年末調整は、基礎控除や扶養控除の改正、電子的控除証明書の活用拡大など、前年と比べて記入上の注意点が増えています。
また、熊本では災害に関連する寄附や控除が関係するケースが少なくありません。

「この控除が使えるのか分からない」「従業員の書類チェックに自信がない」など不安がある場合は、早めに税理士へ相談することをおすすめします。
当事務所では熊本県内全域の中小企業・個人事業主向けに、年末調整や確定申告のサポートを行っています。

投稿者プロフィール

木下博昭税理士事務所
木下博昭税理士事務所税理士/南九州税理士会 139642
熊本生まれ 熊本育ち
税理士の木下博昭です。税理士業界歴21年!
節税や補助金、創業融資などを利用して、会社にお金を残す!
これに特化した経営支援を行いたいと思い独立を決意。
令和元年、令和のスタートともに独立しました。
もちろん、税制を活用した節税も行います。
農業コンサルタント向けに税制改正や節税の講演も実施しています。
何かご相談があればお気軽にどうぞ!

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