熊本の木下博昭税理士事務所の税務調査の立会

「税務調査」と聞くと、多くの経営者が身構えてしまうのではないでしょうか。

「何か悪いことをしたのではないか」「罰金や追徴課税を受けるのではないか」といった不安が頭をよぎるのも無理はありません。しかし実際のところ、税務調査とは納税者の税務申告が正しく行われているかを確認するための手続きであり、必ずしも恐れるものではないのです。

このコラムでは、税務調査の基本から、その流れや対応方法、よくある指摘事項までを解説し、経営者や担当者が不安を払拭し、適切に対応できるようサポートします。知っていれば、税務調査は決して怖いものではありません。正しい知識を身につけ、堂々と対応できるようにしておきましょう。

税務調査とは?

税務調査とは、税務署が法人や個人事業主の申告内容を確認し、適正かどうかをチェックするために行う調査です。調査は、主に「任意調査」と「強制調査」の二種類があります。一般的な税務調査は任意調査であり、事前通知を受けてから行われるケースが多いのが特徴です。

税務調査が来ると聞くと、どの企業も少なからず緊張感を抱き、中には前日は眠れなかった…という経営者様もいらっしゃいました。
ですが、実際には、テレビドラマのように劇的な展開はほとんどなく、世間話から始まって「あれ?思ってたより朗らか?」と思う人も多いかと思います。

ですが、税務署も限られた人員と時間の中で、すべての企業を無作為に調査しているわけではないのが、税理士として税務調査の立会をしてきた中でよくわかります。
調査の対象となる企業には、共通する特徴があります!

本コラムでは、税務調査が来やすくなる会社の特徴を解説し、調査を避けるための対策について考えていきます。税務リスクを抑え、安心して経営を続けるためのヒントを提供します。

税務調査を呼び寄せる!会社の特徴

税務調査が来やすい会社には、いくつかの共通する特徴があります。税務署が注目するポイントを理解することで、適切な対策を講じることができます。

以下は、税務調査が来やすくなる会社の主な特徴です。

  • そもそも申告をしていない
  • 税務調査が入りやすい業種である
  • 売上が急激に増加している
  • 申告内容に不審な点がある
  • 同業他社と比較して利益率が高い
  • 所得が低いのに高額なものを購入している

これらの要素は、税務署が不正や申告漏れを疑うきっかけとなるため、企業として注意が必要です。次章以降では、これらの特徴について詳しく解説し、税務調査を避けるためのポイントを考察していきます。

そもそも申告をしていない会社

税務署が税務調査を実施する最大の理由の一つが「無申告」です。申告をしていない法人や個人事業主は、税務署から「税金逃れをしている」と見なされる可能性が高まります。

そう言われても・・・

そんなこと言ってもうちはまだ来てないから大丈夫ってこと?

と思ってしまうかもしれませんが、ちょっと待って!下記も読んで頂けると…そうでもないということがわかるかと思います。

無申告のリスク

無申告の場合、1年無申告くらいでは税務調査は来ません。申告してね~程度のはがきが届く程度です。税務時効の5年で来るケースが多いのが特徴です。
その場合、こんなことが起こり得ます。

  • 加算税や延滞税が課される。しかも5年分。
  • 過去の分までさかのぼって税金を徴収される。5年間分まとめて。
  • 事業継続が困難になる可能性も。社会的な信頼がボロボロに。

人気お笑い芸人が「税金を払いたくないから」と無申告でいた結果、世間的に大バッシングを受けて全くテレビに出なくなってしまった…という数年前の事例を覚えている方もいるのではないでしょうか?

無申告は、税法上の違反行為であり、最もリスクが高い状態です。そして、バレやすい状況です。
「無申告だけど税務調査来ないよ!?」という人は泳がされている状況かもしれません。

なぜ、無申告はバレる?

無申告はどうしてバレるの!?そう思いますよね?
実はちゃんとバレるようになっているのです。

  • 取引先の支払調書でバレる
  • 取引先に入った税務調査で取引をしているけど申告がない事実が発覚する
  • 銀行口座の動きでバレる(税務署は疑いがある業者の口座の取引内容をチェックできます)
  • 知人などのタレコミ、SNSなどでバレる
  • 国税庁の無申告取締審査でバレる
  • 法人なのに、申告がない

なので、ご自身が無申告でも、相手先がいればバレる…ということです。

税務調査が入りやすい業種は?

令和4年において、税務調査が多い上位10業種を紹介します

順位業種目1件当たりの
申告漏れ所得金額
1件当たりの
追徴税額(含加算税)
前年の順位
1位経営コンサルタント3,3676761
2位くず金卸売業2,483952
3位ブリーダー2,0754543
4位焼肉1,611319
5位タイル工事1,598266
6位冷蔵庫設備工事1,52028715
7位鉄骨・鉄筋工事1,440261
8位太陽光発電1,391289
9位バー1,391250
10位電気通信工事1,37422313

 参考:国税庁(令和4事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について)https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/shotoku_shohi/pdf/shotoku_shohi.pdf

こんな特徴があります!

  • 現金取引が多い業種(証拠や履歴が残りにくい)
  • 深夜営業などスタッフ数が少なくて誤魔化しやすい状況
  • 海外取引が多い
  • 比較的新しいビジネスに関わる業種(仮想通貨やAIなど)

この業種だから…ということではないのですが、いい加減な会計をしている人が多かったり、不正を行う人が多い業種は税務調査が多くなります。
そんな中でも、真面目にやってたら、税務調査は来ないし、来ても怖くありません!大丈夫です!

売上が大きく伸びている会社

売上が急激に増加している会社は、税務調査の対象になりやすい傾向があります。
特に、短期間で売上が大幅に増加した場合、税務署は「過少申告」や「経費の過大計上」を疑うことが多いです。

急成長企業に対する税務署の視点

  • 売上増加に対して利益率が変動していないか
  • 経費の増減が売上の伸びと連動しているか
  • 突然の売上増が特定の取引先に依存していないか

売上成長と税務リスク

  • 税務署は、急成長している企業を「申告漏れ」や「架空経費」がないかという視点で確認
  • 不自然な利益率や在庫調整が発覚すると詳細調査に発展

急激な売上拡大時には、適正な経理処理と売上管理が特に重要です。
急激に売上が伸びると、納税額も桁違いに増えます。
その結果、やましいことを考えてしまう経営者が多く、架空の仕入取引を入れてしまったり、払っていない人件費を計上してしまうケースがあります。

実はバレやすい!申告内容に不審な点がある会社

税務署が特に注目するポイントとして、「申告内容に不審な点がある」ことが挙げられます。
今は、国税庁もデジタル化が進み、各業種の売上に対する経費などのデータ化がすすんでいます。

税務調査の対象は国税総合管理(KSK)システムを用いて選んでいます。
KSKシステムは、納税者の金融機関の情報や登記情報、納税情報などがデータベースで情報管理されていて、異常値があれば教えてくれるシステムです。
そのKSKが活躍した結果、同業他社との比較が以前より簡単になっています。

よくある不審点

  • 経費が異常に多いケース
  • 在庫や仕入れの数字が合わないケース
  • 役員報酬や配当金の不自然な増減

これらの点が確認されると、税務署は「過大計上」や「架空経費」と判断するリスクがあります。

経費が異常に多いケースでは架空取引や架空給与、プライベートを経費に入れているなどを不審に思って調査します。
在庫や仕入れの数字が合わないケースでは、ラーメン屋で1日の売上数は100杯なのに割りばしは150本消費されている、という差から、過少申告をしていたと発覚した事例があります。

調査のきっかけとなるポイント

  • 経費率が同業他社に比べて高すぎる
  • 特定年度だけ異常に経費が増加している
  • 役員報酬が不自然に高額である

こうした不審な申告内容が発覚すると、税務署は詳細な確認を求め、証拠書類の提出を要求するための税務調査をする可能性が高まります。

同業他社と比較して利益率が低い会社

先程も書いた通り、国税庁は各業種で今までの申告データはKSK(国税総合管理システム)にたっぷりと集まっています。

KSKは異常値を弾き出すので、同業他社と比較して利益率が低い会社も、直ぐにバレてしまいます。
税務署は、売上があるにもかかわらず利益が出ていない会社に対し、過大経費計上や売上の過少申告を疑って税務調査に来やすくなります。

税務署が注目するポイント

  • 経費が異常に多く、利益率が業界平均を大きく下回る
  • 赤字が続いているが事業が継続している
  • 役員報酬や給与が利益率に対して過剰に高い

赤字が続いている場合、やらないほうが手元にお金が残るので、普通なら撤退を選ぶと思います。
だけど続けてるということにはそれなりに意図がある…と思われて、税務調査の呼び水になってしまうのです。

売上に対して、経費が異常なほど高い場合も「事業とは関係ないものを計上しているのでは?」と疑ってやってきます。

利益率低下の背景を明確にする

  • 経営改善のための投資が続いている
  • 一時的な経費増加や減収の理由を説明できる書類を用意
  • 業種特有の事情(例えば原材料費の高騰)を明示

とはいえ、昨今の物価高。仕入れも値上がりしているのに、まだ価格転嫁出来ていない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

利益率が低いこと自体が問題ではなく、その原因が不透明な場合に税務署は注目します。
経費が適正であることを証明できる書類を整備し、利益率が低下した理由を明確にしておくことが大切です。

所得が低いのに高額なものを購入している会社

税務署が疑念を抱くポイントの一つが、「所得が低いのに高額なものを購入している」ケースです。
例えば、役員報酬が低いのに高級車を保有している場合などが典型です。

税務署が注目するポイント

  • 法人名義で高額な車両や不動産を購入している
  • 役員や従業員の給与水準に見合わない資産を保有
  • 買掛金や借入金が多い中での高額購入

不自然な購入が引き起こすリスク

  • 経費として計上しているが、実際には私的利用していると見なされる
  • 会社資産としての名義と実態が一致していない
  • 資金の流れが不透明で、所得隠しを疑われる

これらのケースでは、適正な使用実態を示す書類が求められます。
特に、高額資産が業務上の必要性を満たしているかどうかがポイントとなります。
社用車は使用履歴をきちんと保管し、プライベートで利用した場合はその割合もきちんと按分計算をしましょう。

税務調査を避けるために企業ができる対策とは?

税務調査を完全に防ぐことは難しいものの、リスクを減らすためにできることはいくつかあります。

毎月、毎週、毎日…適切なタイミングで正確な会計処理と税務申告

  • 日々の帳簿を正確に記録し、領収書や請求書を適切に保管
  • 経費の妥当性を確認し、必要な証拠書類を準備
  • 売上や利益の増減がある場合、その理由を明確にしておく

領収書は何のために何を購入したのか、きちんと分かるようにしておきましょう。
レシートと領収書でしたら、レシートの方が買ったものと個数がはっきり記載されるので、証拠としては強力です。
領収書の場合は何をどれだけ買ったのか、メモを残しておくと安心です。

業界水準と自社の数値を比較

  • 利益率や経費率が同業他社と大きく異なる場合、改善策を検討
  • 業界平均値を把握し、異常値がないかチェック

同業他社と比べて、売上が良くても悪くても、経費が多くても少なくても、平均値から大きく外れていれば税務調査は入りやすくなります。
しかし、それらにきちんと理由があることや改善策があることを説明できれば、調査はされても問題はないと判断してもらえるケースばかりです。
私自身、罷免(税務上問題なし!)になるケースも見ています。

まともな税理士を入れましょう

税理士を顧問にいれることで、税務署とのやり取りはすべて税理士事務所が行うことになります。
税理士を入れておくことで

「これを入れたら税務調査が来たとき、絶対指摘されますよ!」
「売上の操作は絶対駄目です!!」

など、色々と知識を教えてくれる上、国が認めた方法で、節税をすることが出来ます。
もちろん、正しい方法なので、税務調査が来る原因になることではありません。

まとめ:税務調査対策なら木下博昭税理士事務所へ!

木下博昭税理士事務所は、会社にお金を残す施策をするのが得意です!

何も不正に経費を計上したり、売上を操作してしまったり、そんな税務調査を呼んでしまうような方法を取らなくても、「手元にお金を残しながら事業を行うにはどうしたらいいのか」を一緒に考えます!

お客様にとって、節税は「豊かな生活をしたい」という思いから行うことだと思います。
ですが、税務調査に怯える5年間の日々や、実際に税務調査に入られて延滞税や無申告加算税、過少申告加算税、重加算税など、本税以上に取られてしまうのは思い描いている生活ではないのではないでしょうか?

ぜひ、木下博昭税理士事務所で、不正をせずにお金を残す手段を取ることもご検討下さい!

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