
副業が軌道にのって収入が増えると、税金が気になりますよね。法人設立が税金対策に良いと聞いても、法人設立がばれるのは避けたいものです。ばれる原因は、主に住民税や社会保険料ですが、法人設立がバレるリスクを下げる方法はあります。
この記事では、会社に知られずに法人を設立する方法について解説します。失敗しないためのポイントについても分かる内容です。
この記事で分かること
- 法人設立が会社にばれる7つのケース
- ばれるリスクを下げる方法
- サラリーマン副業と法人設立の手取りの違い
Q. 会社に内緒で法人設立しても、絶対にバレませんか?
A. 100%ではありませんが、ばれる確率を下げることはできますよ。住民税や社会保険の加入義務など、ばれるケースは決まっています。ばれるケースを知ることで、法人設立前に対策が可能です。
Q. 副業禁止の会社ですが、法的に設立しても大丈夫ですか?
A. 法律上、公務員を除き、会社設立自体はできます。就業規則違反のリスクはありますが、日本の法律では「会社を作る」行為そのものを企業が禁止することはできません。
Q. 法人化すると手取りはどれくらい増えるのですか?
法人化の最大のメリットは、税率の差だけでなく、経費の幅が広がることです。自分への給与設定や社宅活用など、法人だけの節税カードを切ることで、手取りを最大化できます。
- 0.1.1. この記事で分かること
- 1. サラリーマンの法人設立が本業の会社にばれるケース
- 1.1. ケース1:住民税が増える
- 1.2. ケース2:本業の会社へ社会保険の通知が届く
- 1.3. ケース3:会社の登記情報が調べられる
- 1.4. ケース4:HPやSNSが特定される
- 1.5. ケース5:飲み会で同僚に話してしまう
- 1.6. ケース6:名刺を間違える
- 1.7. ケース7:私生活が派手になる
- 2. 会社に法人設立がばれるリスクを下げる方法
- 2.1. 役員報酬をゼロにする
- 2.2. 配偶者や家族を代表取締役にして自分は株主になる
- 2.3. バーチャルオフィスを本店所在地にする
- 2.4. 設立手続きを専門家に依頼する
- 3. 法人設立とサラリーマン副業の手取りの違い
- 3.1. 給与500万円・副業の利益500万円のケース
- 3.2. 給与700万円・副業の利益500万円のケース
- 3.3. 給与1,000万円・副業の利益500万円のケース
- 4. サラリーマンが法人設立で失敗しないためのポイント
- 4.1. 法人設立後のランニングコストを把握する
- 4.2. 資本金を適当に決めない
- 4.3. 本業の繁忙期を避けた決算月にする
- 4.4. 自分にあった会社形態にする
- 4.5. 法人設立の目的を明確にする
- 4.6. 設立前に税理士に相談する
- 5. まとめ
サラリーマンの法人設立が本業の会社にばれるケース
法人化が会社にバレる原因は、「うっかり話してしまった」といった単純な不注意だけではありません。注意すべきなのは、税金や社会保険といった、行政の仕組みによってばれるケースです。
ここからは、実際にどのような経路で本業の会社に知られてしまうのか、代表的なケースを順番に解説していきます。制度上のリスクと、日常の油断によるリスクの両方を整理していきましょう。
ケース1:住民税が増える
副業で法人を設立し、自分に役員報酬を支払うと、本業の給与と合わせて、2ヶ所給与になります。確定申告で住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で納付)」にチェックしたとしても、自治体によっては本業の会社からまとめて特別徴収されることもあります。
2ヶ所分の給与に対する住民税が徴収されるため、会社の給与担当者が「なぜこんなに住民税が高いのか?」と気づく可能性があるのです。特に、役員報酬があると住民税額が大きく変わるため注意が必要です。
対応は自治体ごとに異なるため、法人化前に市区町村へ「給与が複数ある場合の徴収方法」を必ず確認しておくことをおすすめします。
参考:長瀞町「給与所得が複数ある場合の住民税の徴収方法の変更」
ケース2:本業の会社へ社会保険の通知が届く
法人を設立し、役員報酬を受け取ると、原則として社会保険への加入義務が生じます。本業の会社でも社会保険に加入している場合、「二以上事業所勤務届」という手続きが必要です。
この手続きを行うと、年金事務所から本業の会社へ通知が届きます。結果として副業法人の存在が知られる可能性があります。会社に法人設立をバレたくないなら、役員報酬の設計や加入要件を事前に専門家と確認することが重要です。
ケース3:会社の登記情報が調べられる
法人を設立すると、会社名・所在地・代表者名は登記簿に登録されます。登録された情報は、原則として誰でも閲覧・取得が可能です。
現在はインターネットでも簡単に登記情報を取得できるため、知人や同僚が興味本位で検索すれば見つかる可能性があります。特に、自宅住所をそのまま本店所在地にしている場合はリスクが高まります。
副業である以上、登記住所をどう設定するかは非常に重要なポイントです。バーチャルオフィスの活用や、公開情報の管理を意識するだけでもリスクは大きく変わります。
ただ法人を設立するだけでなく、公開情報まで含めて設計することが大切です。
ケース4:HPやSNSが特定される
設立した法人のホームページやSNSに、代表者名をフルネームで掲載すると、本業の同僚や上司に特定されるかもしれません。特に本名が珍しい場合はリスクが高まります。副業を秘密にしたい場合は、代表者名の掲載方法や表記の仕方を慎重に検討する必要があります。
情報発信は集客に有効ですが、ばれるリスクを下げるためにはフルネームでの掲載はやめましょう。ネット上の情報は想像以上に拡散されやすいです。
ケース5:飲み会で同僚に話してしまう
意外と多いのが「自分の口から漏れる」ケースです。副業が順調になると、つい飲み会の席で話してしまったり、成功体験を共有したくなったりしますよね。軽い雑談でも、後日思わぬ形で上司や人事に伝わることがあります。
特にお金の話は人の関心を引きやすく、噂になりやすいものです。会社に知られたくないのであれば、最初から誰にも話さないと決めることが最も確実な対策です。情報管理の基本は、制度対策よりもまず自分の言動をコントロールすることですよ。
ケース6:名刺を間違える
本業と副業で名刺を持っている場合、名刺入れに混在させていると、誤って副業法人の名刺を上司や取引先に渡してしまう可能性があります。渡さなくても、名刺を落としたりデスクに置き忘れたりすることも。
このような小さな事故がきっかけで、副業が発覚するケースは決して珍しくありません。対策は単純で、名刺入れを分ける、会社に持ち込まないなどのルールを徹底することです。
ケース7:私生活が派手になる
本業の給与水準と明らかに不釣り合いな生活をしていると、「何かしているのでは?」と疑われることがあります。特に同僚との距離が近い職場では、ちょっとした変化も目につきやすいものです。副業を秘密にするなら、収入が増えても生活スタイルを急激に変えないことが重要です。
お金を増やすことと、見せびらかすことは別問題です。法人化の本質は手取りを守ることであり、目立つことではありません。
お金の残し方については、以下の記事で詳しく解説しています。
会社に法人設立がばれるリスクを下げる方法
税金や社会保険の仕組みは、自分が何もしなくても自動的に会社へ通知が届く構造になっています。制度を理解せずに法人化すると、意図せず本業の会社に情報が伝わる可能性があるということです。
しかし逆にいえば、通知が発生するルートを事前に把握し、あらかじめ遮断する設計をすれば、リスクは大きく下げられます。具体的には、以下の方法です。
- 役員報酬をゼロにする
- 配偶者や家族を代表取締役にして自分は株主になる
- バーチャルオフィスを本店所在地にする
- 設立手続きを専門家に依頼する
ここからは、会社に知られにくい法人設計の具体策を解説していきます。
役員報酬をゼロにする
法人を設立しても、自分に役員報酬を支払わなければ給与は発生しません。給与が発生しなければ、住民税の増加もなく、社会保険の加入義務も生じません。年金事務所や自治体から本業の会社へ通知が行くルートを、制度上ほぼ遮断できるということです。
利益は法人に内部留保し、配当や将来まとめて退職金として受け取ることもできます。また、設備投資や新規事業に回すなど、時間差を活用した戦略も可能です。
配偶者や家族を代表取締役にして自分は株主になる
法人の登記簿には代表取締役の氏名や住所などが公開されますが、代表者を配偶者や家族にすることもできます。家族を代表取締役にすることで、登記情報や会社ホームページから自分の名前が直接出ることを避けられます。
株主は会社の所有者であり、実質的なコントロール権を持つ存在です。役員ではなく株主になることで、経営方針を決める立場にありながら表舞台に立たない設計も可能です。
ただし、家族を役員にする場合は責任の所在や報酬設計、税務上の合理性などを慎重に検討する必要があります。形式だけ整えるのではなく、法的・税務的に問題のない形で設計することが重要です。
バーチャルオフィスを本店所在地にする
法人設立の本店所在地を自宅住所に登録すると、登記簿から住所が公開されてしまいます。そこで活用できるのがバーチャルオフィスです。月額数千円程度で法人登記可能な住所を借りることができ、自宅住所の公開を防げます。
副業を秘密にしたい場合、住所情報の管理は非常に重要です。特にマンション名まで登記されていると、知人が検索しただけで特定される可能性があります。バーチャルオフィスを利用することで、物理的な居場所と法人情報を分離でき、リスクを大きく減らせます。
ただし、金融機関の口座開設や実態確認で不利にならない住所を選ぶこともポイントです。
設立手続きを専門家に依頼する
法人設立は自分でも可能ですが、会社にバレない設計を考慮するなら専門家の関与は必須と言えます。住民税や社会保険の加入要件、家族を役員にする際の税務リスクなど、制度は複雑に絡み合っています。
ネットの断片的な情報だけで進めると、思わぬ通知や手続きミスから発覚するかもしれません。重要なのは、設立前にばれるルートを洗い出し、遮断する設計をすることです。
法人は作り直しが簡単ではありません。だからこそ、最初の設計段階でリスク管理を行うことが、長期的に安心して副業を続ける最大のポイントになります。
私たち木下博昭税理士事務所では、副業サラリーマンの法人設計サポートを行っています。
「今の会社を辞めずに、賢くお金を残したい」そのように考えている方は、設立前の段階からぜひ一度ご相談ください。
法人設立とサラリーマン副業の手取りの違い
副業で利益が500万円出ている場合、個人で続けるのか、法人を作るのかで、最終的な手取りは大きく変わります。特に本業の給与が高い人ほど、累進課税の影響を強く受けます。
ここでは、以下3つのパターンで手取りをシミュレーションします。計算結果などは、比較しやすいように概算のため、実際の手取り額などとは異なる可能性があります。
給与500万円・副業の利益500万円のケース
本業の給与500万円・副業の利益500万円のケースをみてみましょう。
| 例:扶養なし法人設立後の役員報酬500万円 |
| 家族全体の手取りの目安 | |
| 給与+副業 | 約740万円 |
| 給与+自分が役員報酬 | 約727万円 |
| 給与+配偶者が役員報酬 | 約782万円 |
上記のケースでは、法人設立して役員報酬を受け取ると手取りは約727万円です。副業のままの方が手取りは多いですが、配偶者が役員報酬を500万円受け取ると、家族全体の手取りは増えます。
給与700万円・副業の利益500万円のケース
次は本業の給与700万円・副業の利益500万円のケースをみてみましょう。
| 例:扶養なし法人設立後の役員報酬500万円 |
| 手取りの目安 | |
| 給与+副業 | 約864万円 |
| 給与+自分が役員報酬 | 約855万円 |
| 給与+配偶者が役員報酬 | 約921万円 |
上記のケースでは、法人設立して役員報酬を受け取ると手取りは約855万円です。先ほどと同様に、副業のままの方が手取りは多いです。しかし、配偶者が役員報酬を500万円受け取ると家族全体の手取りは約57万円増える結果となりました。
給与1,000万円・副業の利益500万円のケース
最後に、本業の給与1,000万円・副業の利益500万円のケースをみてみましょう。
| 例:扶養なし法人設立後の役員報酬500万円 |
| 手取りの目安 | |
| 給与+副業 | 約1,031万円 |
| 給与+自分が役員報酬 | 約1,023万円 |
| 給与+配偶者が役員報酬 | 約1,118万円 |
上記のケースでは、法人設立して役員報酬を受け取ると手取りは約1,023万円です。一方、配偶者が役員報酬を500万円受け取ると家族全体の手取りは約1,118万円増える結果となりました。
「給与+自分が役員報酬」よりも「給与+副業」の方が手取りが多い結果となったのは、社会保険料が影響しています。今回は比較しやすいように副業の利益と同額を役員報酬にしています。実際には法人が社会保険料を負担するため、役員報酬は副業の利益よりも少ない金額となるでしょう。
単純に法人を作れば得をするわけではなく、役員報酬の設計・社会保険・住民税の仕組みまで含めて戦略を立てる必要があります。木下博昭税理士事務所では、会社に知られない設計や、世帯全体で手取りを最大化するシミュレーションなどの判断まで踏み込んでサポートしています。
「今の会社を辞めずに、合法的に手取りを増やしたい」そのようにお考えの方は、法人設立前の段階からぜひ一度ご相談ください。
サラリーマンが法人設立で失敗しないためのポイント
法人化は、節税になりそうだから、周りも法人にしているからという理由だけで設立すると、思わぬ負担やリスクを抱えることになります。
ここでは、副業サラリーマンが法人設立で後悔しないために、設立前に必ず確認しておくべき具体的なポイントを順番に解説していきます。
法人設立後のランニングコストを把握する
法人は、利益が出ていなくても維持費がかかります。代表的なのが法人住民税の均等割です。自治体によって金額は異なりますが、赤字でも毎年最低7万円程度の税金が発生します。
また、税理士報酬、決算申告費用、社会保険料、会計ソフト代など、継続的なコストも見逃せません。法人設立は、利益が出たときだけ考えるものではなく、年間固定費を差し引いてもメリットが出るかどうかで判断する必要があります。
参考:総務省「法人住民税」
資本金を適当に決めない
資本金の額は法人口座の開設審査、取引先からの信用、さらには消費税の免除期間などが影響します。大きすぎても小さすぎてもデメリットが出る可能性があります。法人設立は、信用力と税務メリットのバランスを取ることが重要です。
「なんとなく」ではなく、将来の売上規模や事業計画を見据えて決めましょう。
本業の繁忙期を避けた決算月にする
法人は、決算月を自由に決めることができます。決算月を安易に決めると、本業が最も忙しい時期に決算作業が重なり、精神的にも時間的にも大きな負担になります。
例えば、本業が3月に繁忙期を迎えるなら、その直前を決算月にするのは避けましょう。
自分にあった会社形態にする
日本で一般的な会社形態は「株式会社」と「合同会社」です。株式会社は信用力が高く、将来の事業拡大や外部からの出資を考える場合に向いています。一方、合同会社は設立費用が安く、運営もシンプルです。
最初から大きな信用力が必要なのか、コストを抑えて機動力を重視するのかを整理する必要があります。株式会社が多いからという理由で決めるのではなく、自分の事業規模と将来像に合った形態を選ぶことが大切です。
法人設立の目的を明確にする
節税だけを目的に法人を作ると、想定よりメリットが出ないケースがあります。法人化の目的は、節税なのか、資産管理なのか、事業拡大なのか、信用力向上なのかを明確にする必要があります。
目的が曖昧なまま設立すると、役員報酬の設定や資金の使い方がブレるかもしれません。法人化のタイミングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
設立前に税理士に相談する
法人は一度設立すると、変更するのは大変です。また、後から変更するとコストや手間がかかります。
特に副業サラリーマンの場合は、会社にバレない設計と手取りを最大化する設計を同時に考える必要があります。ネット情報だけで進めると、住民税や社会保険の仕組みで思わぬ通知が発生することもあります。
設立前に税理士へ相談し、シミュレーションを行うことが、失敗しない法人化の最大のポイントですよ。
まとめ
法人を作れば自動的に節税できるわけではありません。最初の設計を誤ると、会社にバレたり、思ったより手取りが増えないといった事態にもなりかねません。大切なのは、本業を守りながら、合法的にお金を残す仕組みを作ることです。
私たち木下博昭税理士事務所では、手取りを増やすためのサポートをしています。法人化を考え始めた今こそ、設立前に一度ご相談ください。社長の状況に合わせた最適な設計をご提案させていただきます。
投稿者プロフィール

- 税理士/南九州税理士会 139642
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熊本生まれ 熊本育ち
税理士の木下博昭です。税理士業界歴21年!
節税や補助金、創業融資などを利用して、会社にお金を残す!
これに特化した経営支援を行いたいと思い独立を決意。
令和元年、令和のスタートともに独立しました。
もちろん、税制を活用した節税も行います。
農業コンサルタント向けに税制改正や節税の講演も実施しています。
何かご相談があればお気軽にどうぞ!
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