
「副業の法人化は税金対策のメリットがあると聞くけど、本当なの?」と、感じたことはないでしょうか。また、メリットがあっても法人化が原因で、副業が会社にばれるのは避けたいものです。
なんとなくの判断で法人化を選んでしまうと、税金や社会保険の負担が増え、かえって手元にお金が残らないケースも少なくありません。この記事では、副業を法人化するメリットについて解説します。
この記事で分かること
- 会社員のまま副業を法人化するメリット
- 副業を法人化するデメリットと注意点
- 副業を法人化する時期
Q. 個人事業主のままと法人化、どっちが会社にばれますか?
A. 法人化の方が会社にばれるリスクをコントロールしやすくなります。例えば、役員報酬をゼロにすれば、住民税の増加を防げるため、会社に気づかれるきっかけを減らすことが可能です。
Q. 法人化するタイミングの目安はいつですか?
A. 一般的には課税所得が800万円を超えてきたら、法人化を検討する価値があります。個人は所得が増えるほど税率も上がりますが、法人は税率に上限があるため、結果的に手元に残るお金が増えるケースが多いです。
Q. 法人化は本当に得ですか?
A. 法人化が必ずしも得になるとは限りません。1年間で考えると得になっても、3年間で考えると損するケースもあります。法人化に失敗しないためには、将来の予測を含めた詳細なシミュレーションが必要です。
- 0.1.1. この記事で分かること
- 1. 手取りが増える?会社員のまま副業を法人化するメリット
- 1.1. 所得税と法人税の税率の逆転で手元にお金が残る
- 1.2. 赤字を最長10年間繰り越せる
- 1.3. 家族への給与支払いで世帯全体の税率を軽減できる
- 1.4. 有限責任になる
- 1.5. 繁忙期を避けた決算月にできる
- 1.6. 経費の範囲が増える
- 2. 会社員ならではの副業を法人化するデメリットと注意点
- 2.1. 申告書の作成が複雑になる
- 2.2. 赤字でも法人住民税均等割の負担がある
- 2.3. 社会保険の二重加入で会社にばれるリスクが高まる
- 3. 副業は個人事業主と法人化どっちがばれる?
- 3.1. 法人化の方がばれるリスクを抑えられる
- 3.2. 住民税を自分で納付にしても特別徴収になるケースがある
- 4. 【所得別】副業を法人化する時期
- 4.1. 不動産所得:新たに不動産を購入するとき
- 4.2. 事業所得:課税所得が800万円を超えるとき
- 4.3. 雑所得:家族に給料を払うとき
- 5. 忙しい会社員が法人化の手続きを税理士に丸投げするメリット
- 5.1. 有給を取得しなくても法人化が進む
- 5.2. 他の専門家に同じ説明をする手間が省ける
- 5.3. 自分にあった事業形態が分かる
- 6. まとめ
手取りが増える?会社員のまま副業を法人化するメリット
副業で収入が増えてくると、「このまま個人で続けていいのか?」と悩む方は多いのではないでしょうか。
ここでは、会社員のまま副業を法人化することで得られるメリットを解説していきます。
所得税と法人税の税率の逆転で手元にお金が残る
副業の利益が増えてくると、所得税は累進課税により税率がどんどん上がっていきます。頑張って稼ぐほど税負担も重くなる仕組みです。
一方、法人税は所得が800万円を超えると一定の税率で計算されるため、利益が増えても税率が急激に上がることはありません。その結果、ある程度の利益を超えると「個人より法人の方が税金が安くなる」という逆転現象が起こります。
自分は法人化すべきなのかを判断したい方は、利益や判断基準をまとめた以下の記事も参考にしてみてください。法人化前のチェックリストについて解説しています。
参考:国税庁「所得税の税率」
赤字を最長10年間繰り越せる
青色申告の法人が赤字になった場合、損失を最長10年間繰り越すことができます。例えば、初年度に赤字が出ても、翌年以降に黒字になれば、その所得と相殺して税金を抑えることが可能です。
青色申告の個人事業主でも赤字の繰越はできますが、期間は最長3年間です。法人の方が繰り越せる期間が長く、将来を見据えた税金対策がしやすくなります。長期的に事業を育てていきたい社長ほど、法人のメリットを感じやすいでしょう。
家族への給与支払いで世帯全体の税率を軽減できる
個人の場合は「専従者給与」という制度がありますが、条件が厳しいです。また、専従者として給与を受け取ると扶養から外れるため注意が必要です。一方、法人であれば役員や従業員として給与を支払うことで、より柔軟に所得分散ができます。
結果として、一人に高い税率がかかるのではなく、家族全体で税金を抑えることが可能です。ただし、役員報酬の設定にはルールがあるため、事前に専門家へ相談することが重要です。
参考:国税庁「青色事業専従者給与と事業専従者控除」
有限責任になる
個人事業主の場合、事業で借入やトラブルが発生すると、基本的には個人の財産で責任を負うことになります。一方、法人は会社と個人が別の存在として扱われるため、原則として出資した範囲内で責任を負う有限責任です。
株式会社の場合は、万が一事業がうまくいかなかった場合でも、個人の資産すべてがリスクにさらされるわけではありません。副業とはいえ、売上が大きくなればリスクも増えるため、安心して事業を続けるための「守り」としても法人化は有効な選択肢といえます。
繁忙期を避けた決算月にできる
会社員として働きながら副業を行っている場合、仕事が忙しい時期に決算や申告作業が重なると、大きな負担になってしまいます。法人であれば、自分の生活や仕事のリズムに合わせて決算月を調整できるため、無理のない運営が可能です。
例えば、本業が3月に忙しいなら、決算月をずらすことで余裕を持って対応できます。継続的に副業を行うためにも、このようなスケジュール設計が出来るのは助かりますよね。
経費の範囲が増える
法人になると、経費として認められる範囲が増える点も大きなメリットです。例えば以下です。
- 出張手当
- 生命保険
- 役員の退職金
ただし、経費にできるかどうかはルールが細かく決まっているため、自己判断は危険です。副業の法人化については、木下博昭税理士事務所へ一度ご相談ください。社長の状況に合わせた最適な方法をご提案させていただきます。
会社員ならではの副業を法人化するデメリットと注意点
会社員のまま副業を法人化すると、節税や手取りアップといったメリットがある一方で、注意しておきたいデメリットもあります。具体的には以下です。
- 申告書の作成が複雑になる
- 赤字でも法人住民税均等割の負担がある
- 社会保険の二重加入で会社にばれるリスクが高まる
ここでは、会社員ならではの副業を法人化するデメリットと注意点を解説します。
申告書の作成が複雑になる
法人は会計上の利益と、税務上の所得の計算方法が異なるため、個人事業主に比べて申告書の作成が複雑です。また、申告書や書類の種類が増え、調べながら作成するのは時間がかかります。
自己流で対応するとミスや申告漏れのリスクが高くなります。法人化する場合は税理士に依頼する前提で考えておくと安心です。
赤字でも法人住民税均等割の負担がある
法人は、利益が出ていなくても「法人住民税均等割」の負担があります。法人住民税均等割は、年間約7万円程度です。事業がまだ軌道に乗っておらず赤字の状態でも、法人になると支払わなければなりません。
個人事業主であれば、赤字の年は給与所得などと相殺されることもあるでしょう。しかし、法人が赤字になっても個人の所得とは相殺できません。
副業収入がまだ少ない段階で法人化すると、法人住民税均等割が負担になる可能性があるため、法人化のタイミングには見極めが必要です。
社会保険の二重加入で会社にばれるリスクが高まる
会社員が法人を設立し、自分に役員報酬を支払う場合、原則として法人でも社会保険に加入する義務があります。本業の会社ですでに社会保険に加入している場合は「二以上事業所勤務届」という手続きが必要になり、年金事務所から本業の会社へ通知が届きます。
この通知が届くと、副業が会社にばれる大きな原因の一つになります。
制度上の仕組みのため、副業がばれないよう自分で完全に防ぐことは難しいです。ばれるリスクを下げるためには、役員報酬の設定や加入条件を事前にしっかり設計することが重要になります。
副業は個人事業主と法人化どっちがばれる?
副業がばれるかどうかは働き方そのものよりも、税金や社会保険の仕組みによって決まるケースが多いです。
ここでは、個人事業主と法人化でどっちがばれにくいのかを解説します。
法人化の方がばれるリスクを抑えられる
結論からいうと、正しく設計すれば法人化の方がばれるリスクをコントロールしやすいといえます。
個人事業主の場合、副業の利益はそのまま自分の所得となり、住民税が増えることで会社に気づかれるケースがあります。一方、法人の場合は利益を会社に残すことができ、自分に役員報酬を支払わなければ個人の所得は増えません。つまり、住民税の増加を抑えやすく、会社にばれるきっかけを減らすことができるのです。
代表者名や住所などの公開情報も工夫次第でリスクを下げることが可能です。ただし、設計を誤ると逆にばれやすくなるため、事前の対策が重要になります。
住民税を自分で納付にしても特別徴収になるケースがある
副業がばれる原因として最も多いのが「住民税」です。確定申告の際に「普通徴収(自分で納付)」を選べば会社に通知されないと考えがちですが、実際には自治体の運用によっては特別徴収(会社が天引き)にまとめられてしまうことがあります。
例えば、給与が複数ある場合や一定の条件に該当すると、本業の会社に合算された住民税額が通知されるケースがあります。この場合、会社の経理担当者が「なぜこんなに住民税が高いのか」と気づく可能性があります。自治体ごとに対応が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
「どんなケースで実際に会社にばれてしまうのか」「具体的にどう対策すればいいのか」を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
参考:足立区「給与や所得が複数ある場合の住民税の徴収方法について」
【所得別】副業を法人化する時期
法人化は、なんとなく良さそうで決めるのではなく、収入の種類や金額に応じてタイミングを見極めることが重要です。
ここでは、所得の種類ごとに法人化を検討すべき目安をわかりやすく解説します。
不動産所得:新たに不動産を購入するとき
不動産所得の場合、法人化のタイミングとしてよくあるのが、新たに物件を購入するタイミングです。個人で所有している不動産を法人に移す場合、売却扱いとなり、譲渡所得税や登録免許税などのコストが発生するからです。
これから購入する不動産を最初から法人名義にしておけば、余計な税負担を避けることができます。
法人であれば減価償却や経費計上の幅も広がり、長期的な税金対策がしやすくなります。不動産投資は金額が大きいため、購入前の段階で法人化を検討しましょう。
事業所得:課税所得が800万円を超えるとき
事業所得の場合、法人化の一つの目安が、課税所得800万円を超えるときです。個人の所得税は累進課税のため、このラインを超えると法人税の税率の方が低くなる可能性があります。
一方、法人税は一定の税率で計算されるため、法人の方が有利になるケースが増えてきます。利益が大きくなるほど社会保険や役員報酬の設計によって手取りを調整できる幅も広がります。
「自分のケースでも法人化した方がいいのか?」を具体的に判断したい方は、以下の記事も参考にしてみてください。タイミングの見極め方や、会社にばれるリスクを抑えるポイントまで詳しく解説しています。
雑所得:家族に給料を払うとき
個人の雑所得では、家族への給与は基本的に経費として認められません。事業所得であれば青色専従者給与という制度がありますが、これは青色申告をしている場合に限られ、条件も厳しくなっています。
法人であれば家族を役員や従業員として雇用し、給与を支払うことで所得分散が可能です。これにより、世帯全体の税負担を抑えられるケースもあります。
ただし、給与設定にはルールがあるため、自己判断はリスクがあります。後悔しないためにも、木下博昭税理士事務所へ一度ご相談ください。社長の状況に合わせた最適な法人化のタイミングをご提案させていただきます。
忙しい会社員が法人化の手続きを税理士に丸投げするメリット
会社員として働きながら副業をしていると、法人化の手続きに時間を割くのは難しいですよね。実際、法人設立には書類作成や役所への申請など、慣れていないと手間がかかる作業が多くあります。
ここでは、忙しい会社員が法人化の手続きを税理士に丸投げするメリットを解説します。
有給を取得しなくても法人化が進む
法人設立の手続きは、平日の役所や法務局での対応が必要になる場面が多くあります。そのため、自分で進めようとすると有給を取らなければなりません。
しかし、税理士に依頼すれば、このような手続きをサポートしてもらえるため、仕事を休む必要がなくなります。最近ではオンラインや郵送で完結するケースも増えており、面談も土日や夜間に対応している事務所であれば、仕事終わりでも相談が可能です。
本業に影響を出さずに法人化を進められる点は、会社員にとって大きなメリットといえるでしょう。
「平日は忙しくて相談できない」「自分のペースで進めたい」という方は、土日や夜間に対応している税理士についてまとめた以下の記事も参考にしてみてください。
他の専門家に同じ説明をする手間が省ける
法人設立には、税理士だけでなく司法書士や社会保険労務士など、複数の専門家が関わることがあります。自分でそれぞれに依頼する場合、事業内容や状況を何度も説明しなければならず、手間と時間がかかります。
税理士に窓口となってもらえば、必要に応じて他の専門家と連携してもらえるため、同じ説明を繰り返す必要がありません。情報の伝達ミスも防ぎやすく、スムーズに手続きが進みます。忙しい会社員にとっては、このようなやり取りの負担を減らせることも大きなメリットです。
自分で手続きを進めるべきか、それとも専門家に任せるべきか迷っている方は、以下の記事も参考にしてみてください。それぞれのメリット・デメリットと判断基準をわかりやすく解説しています。
自分にあった事業形態が分かる
法人化といっても、株式会社や合同会社などの形態や役員報酬の設定など、判断すべきポイントは多くあります。自己判断で進めてしまうと、後から「個人のままの方が良かった」「思ったより手取りが増えなかった」と後悔するケースもあります。
事前に税理士に相談すれば、現在の収入や将来の見込みをもとに、個人事業主のままが良いのか、法人化すべきかを客観的に判断してもらえます。また、手取りを最大化するための設計も一緒に考えてもらえるため、無駄な遠回りを防げます。
最初の判断を間違えないためにも、専門家への相談は非常に重要です。
「どこまで相談していいのか不安」「無料相談で何が分かるのか知りたい」という方は、以下の記事も参考にしてみてください。失敗しない相談の使い方や、事前に確認しておくべきポイントをわかりやすく解説しています。
まとめ
副業の収入が増えてくると、税金や手取り、会社にばれるリスクなど、さまざまな不安が出てきますよね。個人事業主のままで続けるか、法人化するかによって、将来の手取りや負担は大きく変わります。
ただし、法人化はメリットだけでなく、コストや手続き、リスクも伴うため、自分の状況に合った判断が欠かせません。重要なのは「なんとなく」で決めるのではなく、数字をもとに最適な選択をすることです。
もし判断に迷っている場合は、私たち木下博昭税理士事務所にご相談ください。社長の状況に合わせて、手取りを最大化する最適な方法をご提案させていただきます。
投稿者プロフィール

- 税理士/南九州税理士会 139642
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熊本生まれ 熊本育ち
税理士の木下博昭です。税理士業界歴21年!
節税や補助金、創業融資などを利用して、会社にお金を残す!
これに特化した経営支援を行いたいと思い独立を決意。
令和元年、令和のスタートともに独立しました。
もちろん、税制を活用した節税も行います。
農業コンサルタント向けに税制改正や節税の講演も実施しています。
何かご相談があればお気軽にどうぞ!
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