
「合同会社は、自分で作れば6万円で済むらしい」と、聞いたことはないでしょうか。確かに、設立費用を6万円に抑えることはできますが、ネットの情報だけを鵜呑みにして自分で設立すると失敗する恐れがあります。
特に消費税を免除できる期間や役員報酬などの失敗は、専門家に依頼する報酬以上に損するケースも珍しくありません。費用をケチったせいで後から税金で損をするのだけは、避けたいところですよね。
この記事では、合同会社の設立費用について解説します。この記事を読み終えるころには、設立費用の目安と、設立する前の対策について分かるでしょう。
この記事で分かること
- 専門家に頼む場合と自分でやる場合、どちらが得になるか
- 自分で設立して後悔するケース
- 設立前に確認しておきたい、見落としがちな税務チェック項目
Q. 合同会社を自分で作ると、本当に6万円で済むのですか?
A. 電子定款を使えば、最低限の法定費用は登録免許税の6万円で済みます。ただし電子定款を利用するためには、自分でICカードリーダーなどの準備が必要です。
Q. 司法書士や税理士に頼むのは、お金の無駄ですか?
A. 必ずしも無駄とは言えません。専門家報酬は数万円〜10万円ほどが相場ですが、事務負担が軽減されます。例えば、合同会社の設立に10時間以上かかる場合、10時間分の売上を確保できません。
費用だけでなく「設立後の税金の相談までできるか」で考えると、結果的に得をするケースも多いです。
Q. 設立費用を抑えることよりも重要なことはありますか?
A. あります。例えば、資本金の決め方や青色申告の届出、役員報酬の設定などです。知らずに設立すると、節税のチャンスを逃したり余計な税金がかかったりします。設立費用を6万円に抑えても、設立後の負担が増えては元も子もありません。
- 0.1.1. この記事で分かること
- 1. 合同会社を自分で設立する費用の目安は6万円から
- 1.1. 登録免許税は最低6万円かかる
- 1.2. 紙の定款は4万円が追加でかかる
- 2. 合同会社の設立費用は専門家に任せた方が安い?ケース別目安
- 2.1. 自分で作成するケース(紙の定款):法定費用は10万円
- 2.2. 自分で作成するケース(電子定款):法定費用は6万円
- 2.3. 司法書士に依頼するケース:6万円+報酬
- 2.4. 木下博昭税理士事務所のケース:6万円+手数料0円
- 3. 合同会社を自分で設立して後悔しやすいケース
- 3.1. 資本金を少なくしすぎて銀行口座開設や融資で困る
- 3.2. 設立後の税務届出を忘れて青色申告が使えなくなる
- 3.3. 法人成りして手取りが減ることがある
- 3.4. 複数人で設立して利益配分や意思決定でもめる
- 3.5. 役員報酬を適当に決めて税金と社会保険料の負担が増える
- 4. 合同会社を自分で設立してよい人と専門家に相談すべき人の特徴
- 4.1. 自分で設立してよい人の特徴
- 4.2. 司法書士に相談すべき人の特徴
- 4.3. 税理士に相談すべき人の特徴
- 5. 合同会社を自分で設立する前に確認すべき税務チェック項目
- 5.1. 青色申告の承認申請書の提出期限を確認しているか?
- 5.2. 消費税の免税を意識した資本金になっているか?
- 5.3. 社会保険料や均等割までを含めた資金繰りになっているか?
- 5.4. 役員報酬の金額は適切か?
- 5.5. 法人成りのシミュレーションは十分か?
- 6. まとめ
合同会社を自分で設立する費用の目安は6万円から
合同会社を自分で作るとき、最低限かかる設立費用の目安は6万円です。この6万円に何が上乗せされるかで、最終的な金額が決まります。
登録免許税は最低6万円かかる
設立費用の6万円は、登録免許税です。会社を法務局に登記する際、国に納める登録免許税は合同会社では最低6万円と決められています。正確には「資本金×0.7%」と「6万円」のうち、高い方を払う仕組みです。とはいえ、資本金が約857万円を超えない限りは6万円です。
参考:法務省「合同会社の設立手続について」
紙の定款は4万円が追加でかかる
定款の収入印紙4万円は、知らないと損しやすいポイントです。会社のルールを定めた定款を紙で作ると、収入印紙代として4万円がかかります。一方、電子定款なら、4万円の収入印紙は必要ありません。
ただし、電子定款には専用ソフトや電子証明書の準備が必要です。同じ会社を作るのに、紙か電子かだけで4万円も変わるため、検討する価値は十分あります。
参考:国税庁「印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
合同会社の設立費用は専門家に任せた方が安い?ケース別目安
合同会社の設立は「自分でやるのが一番安い」とは、必ずしも言い切れません。むしろ、頼み方しだいでは専門家に任せた方が安くなることすらあります。カギは、電子定款の4万円と、専門家の報酬です。
| 自分で作成(紙の定款) | 自分で作成(電子定款) | 木下博昭税理士事務所 | |
|---|---|---|---|
| 登録免許税 | 6万円 | 6万円 | 6万円 |
| 収入印紙 | 4万円 | 0円 | 0円 |
| 手数料 | ー | ー | 0円 |
| 総額の目安 | 10万円 | 6万円 | 6万円 |
自分で作成するケース(紙の定款):法定費用は10万円
登録免許税6万円に、紙の定款の印紙代4万円が追加され合計10万円かかります。また、自分で設立するために調べた時間や、手続きのコストを合計すると、もっとも割高になる恐れがあります。
自分で全部やったのに、専門家に頼むのとほぼ変わらないコストになるのは避けたいですね。
自分で作成するケース(電子定款):法定費用は6万円
電子定款は印紙代の4万円がなくなり、登録免許税の6万円だけで会社が作れます。理論上は、もっとも安く済むパターンと言えます。ただし、タダで4万円が浮くわけではありません。電子定款には電子証明書やカードリーダー、専用ソフトが必要です。
「設定準備と書類作成に費やす時間を社長の時給で換算したとき、本当に得なのか」そこまで考えて初めて、賢い選択といえます。
司法書士に依頼するケース:6万円+報酬
司法書士に依頼すると、法定費用の6万円に加えて、報酬として数万〜10万円ほどが上乗せされるのが一般的です。電子定款の手間や登記書類の不安から解放される安心料、と考えればわかりやすいでしょう。
ただし、設立だけを単発で頼むと純粋な出費になります。「面倒は避けたいが、コストもかけたくない」という社長には、少しもどかしい選択肢かもしれません。
木下博昭税理士事務所のケース:6万円+手数料0円
実は、いいとこ取りができる方法があります。それが、私たち木下税理士事務所に依頼することです。設立後の税務顧問契約を前提に、設立手数料を0円でサポートしています。自分でやるのと同じ法定費用6万円だけで、面倒な電子定款の作成なども丸ごと任せられるのです。
「手続きに使うはずだった時間を本業に回せて、設立後の税金の不安まで先回りで解消できる」これが、一番お金と時間を残せる選択と言えます。
合同会社を自分で設立して後悔しやすいケース
会社作りは、設立がゴールではありません。資本金の決め方や税務署への届出、役員報酬の設定など、設立前後の判断が大切です。
ここでは、合同会社を自分で設立して後悔しやすいケースについて解説します。
資本金を少なくしすぎて銀行口座開設や融資で困る
資本金1円でも会社は作れますが、安易に少なくすると、肝心な場面で足をすくわれる原因になります。例えば、銀行口座の開設です。資本金が少なすぎると、銀行口座の開設で不利になる恐れがあります。
運転資金の3から6か月分を目安に、信用と維持コストのバランスで決めるのが大切です。合同会社を資本金10万円で設立するケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。
設立後の税務届出を忘れて青色申告が使えなくなる
設立後、期限内に「青色申告の承認申請書」を提出しないと、青色申告の特典が初年度から使えなくなります。例えば、以下が挙げられます。
- 赤字の繰り越し
- 少額減価償却資産の特例
- 賃上げ促進税制
原則として設立の日以後3月を経過した日までに、申請書の提出が必要です。設立手続きに夢中で提出を後回しにし、気づいたときには期限切れというケースは珍しくありません。設立したらすぐに、提出することをおすすめします。
参考:国税庁「青色申告書の承認の申請」
法人成りして手取りが減ることがある
法人になると、利益が出ていなくても毎年最低7万円の均等割がかかります。また、会社負担の社会保険料も発生するため、個人事業主に比べてランニングコストが増えます。
例えば、利益が年300万円ほどの個人事業主が、節税になると法人成りした結果、個人時代より自由に使えるお金が減ってしまうケースがあります。法人化は、利益や会社の規模などを見極めることが大切です。本当に手取りが増えるかの判断は、事前のシミュレーションが欠かせません。
法人化が節税にならない理由については、以下の記事で詳しく解説しています。
複数人で設立して利益配分や意思決定でもめる
仲間と意気投合して設立した合同会社が、お金と決定権をめぐって空中分解するケースもあります。合同会社は出資者全員が原則対等で、利益配分も自由に決められる反面、ルールが曖昧だとトラブルの原因になります。
仲が良いうちにこそ、配分と決定権のルールを定款で明文化しましょう。
役員報酬を適当に決めて税金と社会保険料の負担が増える
役員報酬を期の途中で変更すると、税務上のリスクがあります。さらに、金額が高いほど個人と会社の社会保険料の負担も増えます。
利益の予測ができないまま役員報酬を適当に決め、売上が伸び悩むと役員報酬と社会保険の負担が重くのしかかる。そんな身動きの取れない状況に陥る社長は珍しくありません。報酬額は、会社と個人の手取り合計が最大になる金額を知ることが重要です。
合同会社を自分で設立してよい人と専門家に相談すべき人の特徴
「自分でやるべきか、専門家に頼むべきか」その答えは、事業の状況と時間の価値で決まります。
費用を1円でも惜しみたい気持ちはよく分かります。しかし、判断を誤れば節約したお金以上の損失や手間が後からのしかかりますよ。大切なのは、見栄や思い込みではなく、自分が今どのタイプに当てはまるかを冷静に見極めることです。
ここでは、自分でやってよい人・司法書士に頼むべき人・税理士に相談すべき人の特徴を解説します。
自分で設立してよい人の特徴
時間に余裕があり、手続き自体を楽しめる場合は、自力での設立は十分に現実的な選択です。
- 設立を急いでおらず、書類作成や調べものに時間を割ける
- 電子定款に必要なパソコン環境やマイナンバーカードを扱える
- 確定申告など、事務作業をコツコツ進めるのが苦にならない
- 当面は税理士をつけず、まず小さく始めたいと考えている
上記に多く当てはまる社長は、挑戦する価値があります。会社設立前から設立後の届出まで、全体像を確認しましょう。
司法書士に相談すべき人の特徴
設立手続きの「正確さ」と「スピード」を重視するなら、登記の専門家である司法書士が頼りになります。例えば、以下です。
- とにかく早く、確実に会社を立ち上げたい
- 登記の書類ミスで何度もやり直すリスクを避けたい
- 手続きの手間を、報酬を払ってでも丸ごと手放したい
- 設立後の税務顧問は、当面考えていない
特に、事務手続きが苦手、登記のみを依頼したい人に向いていると言えます。
税理士に相談すべき人の特徴
設立はゴールではなくスタートです。設立後の役員報酬や資金繰りまで見据えるなら、税理士へ相談しましょう。こんな方は、ぜひ早めにご相談ください。
- 個人事業主からの法人成りで、節税効果を最大化したい
- 資本金や役員報酬を、税金まで踏まえて適切に決めたい
- 青色申告の届出など、税務手続きを漏れなく済ませたい
- 設立費用を抑えつつ、手続きの手間もかけたくない
- 設立後の資金繰りや、融資まで見据えて相談したい
合同会社を自分で設立する前に確認すべき税務チェック項目
会社作りで損する人と得する人の差は、設立費用だけではありません。設立前にどこまで税務チェックをしているかが重要になります。登記だけ完璧でも税務面で失敗すると、設立後に何十万円も本来支払う必要がない税金を払うリスクがあります。
- 青色申告承認申請書の提出期限を確認しているか?
- 消費税の免税を意識した資本金になっているか?
- 社会保険料や均等割までを含めた資金繰りになっているか?
- 役員報酬の金額は適切か?
- 法人成りのシミュレーションは十分か?
上記の5項目をひとつずつチェックしながら進めましょう。
青色申告の承認申請書の提出期限を確認しているか?
先述しましたが、設立したら最優先で「青色申告の承認申請書」をしましょう。設立初年度は費用がかかり、赤字になるケースは珍しくありません。しかし、赤字を繰り越すためには、青色申告の承認申請書の提出が必要です。
期限は設立から原則3か月以内です。期限切れを防ぐためにも、提出期限を確認しましょう。
消費税の免税を意識した資本金になっているか?
設立して間もない会社は、最大2年間は消費税の納税が免除される可能性があります。ところが、資本金が1,000万円以上や特定新規設立法人などは、消費税の納税義務は免除されません。
本来払わずに済んだ消費税を初年度から納める羽目になるのは、もったいない話です。信用と免税のバランスを見て、資本金は慎重に決めましょう。
最近は、インボイスを登録する会社が増えています。インボイス登録をすると、資本金が1,000万円未満でも消費税の納税義務は免除されないため注意が必要です。資本金の決める基準については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考:国税庁「基準期間がない法人の納税義務の免除の特例」
社会保険料や均等割までを含めた資金繰りになっているか?
法人設立後の資金繰りを安定させるためには、ランニングコストを把握することが大切です。特に、経営者の社会保険料や均等割は、個人事業主の時代では負担しないコストのため漏れやすいです。
資金繰りを安定させるためには、設立費用だけでなくランニングコストまで含めて考えましょう。合同会社のランニングコストについては、以下の記事で詳しく解説しています。
役員報酬の金額は適切か?
役員報酬を高くすれば個人の所得税と社会保険料が増え、低くすれば会社に利益が残って法人税が増えます。税負担を抑えるためには、会社と個人、両方の手取り合計が最も多くなる金額が理想です。
会社の資金が足りない場合、社長が会社にお金を貸すケースがあります。しかし、そのお金は税金や社会保険料などが引かれた後の金額です。例えば、利益の見通しが甘いまま月50万円と決めてしまい、期の途中で報酬を下げられず苦しむケースは珍しくありません。
報酬額は感覚で決めず、事前にシミュレーションしましょう。
法人成りのシミュレーションは十分か?
そもそも「今、法人になるべきか」を数字で検証できていますか。これを飛ばすと、節税どころか手取りが減る原因になります。法人成りには均等割や社会保険料という固定費が増える一方、所得を分散できる節税メリットもあります。
ネットやAIを活用して、法人成りのシミュレーションは可能です。しかし、シミュレーション結果があっているか、社長に適しているかはわかりません。事前に、個人のままと法人化した場合の詳細なシミュレーションで判断しましょう。
まとめ
合同会社は、電子定款を使えば自分でも6万円から作れます。けれど、本当に守るべきお金は設立費用の数万円ではなく、設立前後の判断ひとつで動く何十万円のほうです。資本金の額や青色申告の届出期限、役員報酬の設定などを誤れば、節約したつもりが大きな損につながりかねません。
合同会社の設立は、設立手数料0円で税務まで一気通貫でサポートできる木下博昭税理士事務所にご相談ください。社長ひとりで判断しきれない資本金や役員報酬の設定も、設立前の段階から数字を見ながら一緒に設計いたします。
平日の夜間や土日も無料相談を承っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。社長の会社作りが、後悔のない確かな一歩になるよう、全力でサポートさせていただきます。
投稿者プロフィール

- 税理士/南九州税理士会 139642
-
熊本生まれ 熊本育ち
税理士の木下博昭です。税理士業界歴21年!
節税や補助金、創業融資などを利用して、会社にお金を残す!
これに特化した経営支援を行いたいと思い独立を決意。
令和元年、令和のスタートともに独立しました。
もちろん、税制を活用した節税も行います。
農業コンサルタント向けに税制改正や節税の講演も実施しています。
何かご相談があればお気軽にどうぞ!
最新の投稿
法人成り2026年6月24日合同会社の設立費用は自分で6万円?専門家との比較と失敗しないポイント
税務調査2026年6月22日【熊本】無申告の税務調査でもあわてない!ペナルティを最小限に抑えるためのポイント
起業2026年6月19日合同会社の資本金は10万円で設立できる?平均と現実のギャップを解説
法人成り2026年6月17日副業会社員が一人で会社を作るメリットとデメリットは?業務効率化とストレスについて解説
他の方はこちらも読まれています
合同会社の設立費用は自分で6万円?専門家との比較と失敗しないポイントNew!!
合同会社の資本金は10万円で設立できる?平均と現実のギャップを解説New!!
とりあえず会社を作るのは危険?放置された合同会社は節税ではなく資金が減る原因
合同会社は売上なしでもランニングコストがかかる?年間維持費用の内訳と目安

まずはお気軽にご相談ください
CONTACT
お電話でのお問い合わせ
096-285-9131
受付時間 9:00 〜 21:00(土日も対応)









